NTT タウンページ(東京都)は、タウンページデータベース(職業別電話帳データ)を活用してさまざまなマーケティング情報を提供しており、日本人の入浴文化に注目した「日本一入浴好き」な都道府県はどこなのかを、全国の入浴施設の登録件数を元に調査した。
日本人の入浴文化の起源は、6世紀に渡来した仏教の教えにあると言われている。沐浴で身を清めることが病を退け福を呼ぶとされ、平安時代には宗教的意味を込めた寺院による施浴が盛んに行われた。現代のような、湯船に首まで浸かるスタイルができたのは江戸時代。最古の銭湯が出来たのは、それに先立つ1591年。現代では、公衆浴場と一口に言っても、レジャーとして人気の「温泉」、減少の一途を辿る「銭湯」、娯楽施設としての要素が高い「スーパー銭湯」など、多彩な施設が存在する。
同調査によると、家計に占める「温泉・銭湯入浴料(支出年間金額2020年)」は、全国平均1,243円に対し、トップの青森市では4倍以上となる5,392円。青森県の大人入浴料金は450円なので、月約1回は公衆浴場を利用している計算となる。2位は金沢市(4,434円)、次いで盛岡市(2,835円)が3位にランクインした。
全体的な減少傾向の続く入浴施設の中で、特に登録件数が大きく減少しているのが「銭湯」だ。2013年から2022年の10年間で、55%にまで減少している。
「銭湯」がタウンページデータベースの業種に登場した1989年まで溯って比較すると、1989年(11,374件)から2022年(1,700件)の33年間で、15%にまで減少している。減少傾向にある入浴施設だが、都道府県別に見ると、人口10万人あたりの入浴施設の登録件数が最も多い都道府県が見える。
人口10万人当たりの入浴施設の登録件数が最も多いのは、青森県の16.95件。2位が14.00件の大分県、3位が13.01件の鹿児島県となった。これらの結果から同社では、温泉・銭湯に日本一お金をかけるのは青森市、人口当たりの入浴施設の登録件数が多いのは青森県としている。